『ともに生きる -10周年記念誌-』

『ともに生きる』は、全朝教広島の10年間の活動の集大成ともいえるものです。だからといって、単に過去の活動や事実を羅列したものではありません。いま、在日朝鮮人の子どもたちにかかわっている人、これからかかわりをもとうとする人に、ぜひ読んでいただきたい本です。
内容はおおむね「歴史」「運動」「実践」にわかれています。「歴史」では、全朝教広島の歩みを、朝鮮奨学会に結集した生徒とのかかわりを通してあきらかにしています。「運動」では、全朝教運動との出会いを通して自己変革をなしとげた仲間の手記、そして私たちが広島から問い続けた差別語・差別表現にかかわる抗議活動の報告と、行政に対する抗議行動の詳細を掲載しています。
さらに、今後の教育活動において不可欠な地域や親とのつながりを模索した中学校からの報告、そしていまこそ必要とされる強制連行・強制労働教材化の試みとして、高校の実践例を掲載しました。
最後の「実践」では、全国大会で報告した広島のレポートを載せています。これから実践にとりくもうとする人の一助となれば幸いです。また、これらの他に「軍都廣島と朝鮮」のかかわりを巻頭のグラビアで紹介し、朝鮮通信使の足跡を訪ねた紀行文も掲載しています。ぜひ御購入下さい。

B5判 396ページ
頒価 1500円

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「私の子どもは、私の子ども、もう決して離れたくない。」

孫さん、関さん姉妹は中国の黒竜江省で生まれました。その後1965(昭和40)年母・琴絵 さんが、元中国残留孤児である井上鶴嗣さんと再婚され、家族としての生活が始まりました。
父母は理容師をして生活を立てていたのですが、まもなく「文化大革命」のときに、様々な状 況の中、日本人であるということを理由に「下放」され生活は困難を極めました。そんな中でも、帰国するまでの16年間、病気がちな鶴嗣さんを琴絵さんと長女の孫さんのがんばりで支え 合い、正に家族一体となって、差別や貧困を乗り越え懸命に生き抜いてこられました。また小さい時に病弱で命を助けるために養子として託された関さんの事も、鶴嗣さん琴絵さんの心か ら離れる事はありませんでした。1983(昭和58)年、鶴嗣さん夫妻は中国政府の方針に従って、中国の養父の面倒を長女・孫さん家族に託し、4人の実子とともに安心して日本に帰国す ることができました。そして家族一緒に暮らしたいという長年の願いがかない、1996(平成8)年孫さん家族を、1998(平成10)年関さん家族を迎え入れることができました。初めて家族全 員が揃った喜びをかみしめながら、みんなで支え合い生きてこられました。
鶴嗣さんは「妻琴絵の娘は私の子ども。『血のつながり』はなくとも、この子達は一生私の子 どもです。決して離れたくない」と言われます。そんな願いも空しく、国は「在留が認められていない中国残留孤児の連れ子の家族なのに、在留が認められている実子の家族として偽って入国?在留してきた」として、11月5日朝、孫さん、関さん家族を強制的に収容し、中国へ「退去強制」しようとしています。そして、約3500名の「在留特別許可」を求める署名や多方面からの 要請にも拘わらず、12月17日に法務大臣の「在留不許可・退去強制」の裁決が通告されました。戦争によってバラバラにされた家族が、今回の裁決でまた引き裂かれようとしているので す。
孫さん、関さん家族には、専門学校生、中学生、小学生のこどもたち4人がいます。早い子 で小学校の1年生から日本の学校で学び、やっとの思いで日本語を覚え、日本の生活に将来の夢を持ち、それぞれの学校での生活を続けているところでした。もし、退去強制させられ たら、将来への夢はもちろんのこと、現在受けている教育の機会をも奪い取られます。それどころか、今中国に返されても、中国語が理解できず、学習についていけないことは明らかです。このままでは日本語も中国語も不確かなまま、生きる力としての学力が保証されないまま、一生を送ることになると思われます。また、今中国にもどっても、すでに日本にしか生活基盤 がなく、家族はきわめて困難な生活を強いられることになります。このようなことは、日本政府が批准している国際人権規約や子どもの権利条約の基本精神や条文からみても許されるもので はありません。
以上のような人道的な見地から、司法の判断として「法務大臣の在留特別許可を認めなかっ た裁決に裁量権の逸脱と濫用があり違法である」ことを認め、「裁決の取り消し」と「退去強制処分の取り消しと執行停止」及び「在留特別許可」を認めていただくよう、切に要望します。

(「連れ子、養子であっても在留特別許可」を求める署名」より)

本書には裁判費用・仮放免のためのカンパが含まれています。

B5判 62ページ
頒価 500円

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『人権総合学習 ~「問う主体」として子どもを育てる~』

本書には、具体的な「事例紹介」や「ヒント集」を豊富におさめてある。実際に「人権総合学習」を行うために、たいへん参考になる書である。


人権総合学習は、子どもたちが自分たち自身に向かって、また、社会に向かって問い続けることを支援することのできるものでないといけないと思います。その「問い」の先には「より豊かに生きる」ということがあるように思います。本来学習とは、「より豊かに生きる」ということを考えるためにあったはずなのですが、現在、子どもたちも教員もそれを見失いがちです。
「より豊かに生きる」ことを学び、考えることは、「自分のことを大切に思い、豊かに他者との関係を結ぶ」ことを考えることでもあります。それは、地球規模の人権運動の流れにも通じます。文化や民族などの違いを認め、ともに知恵を出しあって生きることにつながっています。
この冊子をつくる中で、人権総合学習プロジェクトのメンバーは多くの課題について話しあいました。
「教員が楽しむことができる総合学習とは」
「内なる問いとは」
「人権総合学習がめざすもの」
「人権総合学習と総合学習の違いは」
「次のステージ(生活の中のそれぞれが持つ課題)につなげるために」
などなどです。
この冊子が、各学校園(所)で活用され、子どもたちが輝き、教員が元気になり、学習を通していろいろな人たちとの出会いが実現することをこころから願っています。

B5判 163ページ

頒価 1000円

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在日外国人の子どもの保育・教育にかかわる調査報告書

近年、県内でも外国人が急増し、その子どもたちが県内の保育・教育機関に多数在籍するようになりました。それにともない、1997年度から支部の研究会や滋賀県同和教育研究大会で、各地域から言葉や生活習慣のことなる子どもたちについての実態や教育課題が報告されてきました。

研究大会後の分科会総括を経て、在日外国人の子どもにかかわる現状と課題を調査研究し、保育・教育に還元する必要性を確認しました。また、在日韓国・朝鮮人の子どもは、急増している外国人の子どもたちと、来日するにいたった歴史的・社会的・政治的背景が異なり、課題も異なる点があることから、2つにわけて同時に調査することに決定しました。

1997年度には、奈良県同和教育研究会が実施しているアンケートをもとに調査の素案を作成し、翌年には、県内の学校で先駆的にとりくまれている方からの助言をもとに数校で先行調査をおこない、調査内容や実施方法の検討をすすめてきました。

滋同教理事会では、1999年度から実施に向けての論議に入り、2000年5月の定期総会で調査の実施と、「在日外国人の子どもにかかわるプロジェクト」の発足が決まりました。

なお、「プロジェクト」では、「これまでの学校園所におけるとりくみや課題、『在日韓国・朝鮮人児童生徒に関する指導指針』をもとに、在日外国人の子どもや保護者の願いに応えられる保育・教育の実践へと結びつけていきたい」という思いのなかで、調査実施要項等を作成し、実施しました。

本調査は、「調査用紙A:在日韓国・朝鮮人の子どもの保育・教育にかかわる調査」、「調査用紙B:在日外国人(在日韓国・朝鮮人以外の外国人)の子どもの保育・教育にかかわる調査」から成り立ち、質問用紙によるアンケート調査方式で実施しました。調査期間は、2001年2月1日~2001年2月28日の1ヶ月間で、配布・回収ともすべて郵送でおこないました。

調査対象は、県内の保育所・幼稚園・小学校・中学校・高等学校・障害児教育諸学校・各種学校・専修学校等の保育・教育機関で、各種学校・専修学校等については、滋同教高等学校連絡協議会加盟校としました。なお実施に際しては、「調査対象の学校園所が、現在把握している範囲で記入されること」を依頼状と質問用紙に記するとともに、回答用紙は学校園所名の記入欄を設けず「属性」のみとしました。

(「調査の主旨と実施概要」より)
B5判 201ページ
頒価 1000円

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『アジアの友だちとつながろう!オッケトンム多文化共生編1』

奈良県外教では、外国にルーツをもつ保護者や子どもたちが集い、出会いを創造する場として、なら国際こどもフォーラムという集まりをもっています。また、外国にルーツをもつ中高校生が集まり、自分たちのアイデンティティや進路について考える「在日外国人生徒交流会」という事業も行っています。それらの集いの場で、外国にルーツをもつ子どもたちが、互いにつながりあうことで、自分のルーツについて考え、文化や母語を大切にしながら、自分自身を獲得する営みを続けています。

「オッケトンム多文化共生編」は、そのような出会いの場で、子どもたちや保護者から紹介いただいた世界の国々の遊び、言葉、文化、またその思いなどをまとめたものです。この冊子は、その中から、県内の学校園所で在籍数の多い、韓国・朝鮮、中国、フィリピン、タイ、台湾などを中心に「アジアの友だちとつながろう~オッケトンム多文化共生編Ⅰ~」という形で編集を行いました。就学前はもとより、小学校中学校高校のさまざまな学習形態の中で、資料としてご活用いただければと思います。

みなさんの机のとなりに座っている外国にルーツをもつ友だちとともに、また、みなさんの地域で暮らしている外国にルーツをもつ人々とともに、「ちがうことってすばらしい!」と感じることのできる多文化共生社会を実現するために、この冊子を役立てていただけることを期待しています。
目次

発刊にあたって
冊子の使い方

外国にルーツをもつ友だちと出会おう

在日コリアンの友だちと出会おう!
韓国にルーツをもつ友だちと出会おう!
中国の友だちと出会おう!
フィリピンにルーツをもつ友だちと出会おう!
タイにルーツをもつ友だちと出会おう!
資料

みんなで遊ぼう

韓国・朝鮮のたこ(ヨン)を作ってみよう
韓国・朝鮮のチェギを作ってみよう
韓国・朝鮮のユンノリで遊んでみよう
中国の遊びを楽しもう「ジャオ・ポンヨウ」
フィリピンのスンカで遊んでみよう
フィリピンの遊び歌「ペンペン・デ・サラペン」
インドのマンドゥックを作ってみよう
世界の言葉であいさつをしよう
アジアの言葉でカルタ遊びをしよう

作って食べてみよう

韓国朝鮮のトッポギを作ってみよう
韓国朝鮮のチェプチェを作ってみよう
台湾のデザート・オーギョーチィを作ってみよう
中国の水ぎょうざを作ってみよう
中国の葱油餅を作ってみよう
フィリピンのバナナはるまき・トゥルンを作ってみよう
フィリピンのデザート・ハロハロを作ってみよう
タイの生はるまき・ポピアソットを作ってみよう

ゲストティーチャーに来てもらおう

在日コリアンの先生の声(金孝誠さん)
在日コリアンの先生の声(金生遵さん・李よし子さん)
在日コリアンの青年の声(金秀勇さん)
中国の青年の声(李 洋さん)
中国の保護者の声(沈健文さん)
台湾の保護者の声(阿部彩珠さん)
中国「残留」孤児の声(竹田順子さん)
フィリピン人保護者の声(松下エロイサさん)
フィリピン人保護者の声(鍋谷マイラさん)
フィリピン人青年の声(杉本アリエールさん)

歴史的背景を理解するために

在日コリアンの歴史
中国「残留」孤児の歴史的背景
国際結婚と子どもたち

池田先生のワンポイント中国語講座

B5判 115ページ
頒価 1000円

『アジアの友だちとつながろう!オッケトンム多文化共生編1』 はコメントを受け付けていません

全朝教通信合本・全外教通信合本

『全朝教通信合本第43号~第52号』には、1995年6月15日発行分~1997年5月15日発行分が掲載されています。第43号には、震災後の兵庫大会の準備に追われる大会実行委員会のみなさんの姿がうかがわれます。

『全朝教通信合本第53号~第67号』には、1997年8月23日発行分~2000年5月15日発行分が掲載されています。第67号には、三重で行われたはじめてのセミナーの報告や、広島大会へむけての準備の姿がえがかれています。

『全朝教通信・全外教通信合本第68号~第82号』には、2000年8月19日~2003年5月15日発行分が掲載されています。21世紀を迎え、全朝教から全外教へとウィングを広げていく過程がよくわかります。

『全外教通信合本第83号~第97号』には、2003年8月23日~2006年5月15日発行分が掲載されています。新渡日の子どもたちを前にして、迷いながらも新たなとりくみをスタートさせていく過程がよくわかります。

最新刊である『全外教通信合本第98号~第112号』には、2006年8月20日~2009年6月1日発行分が掲載されています。在日外国人教育をとりまく「いま」を知る上で、欠かすことができない資料と言えるでしょう。

5冊をあわせると、14年分の記録になります。

全外教にとって、この14年間は、名称変更の問題も含め大きな変動の年月でした。それらの「歴史」を記憶する上でも、これら5冊は、貴重な資料といえます。

書名 判型 ページ数 頒価(円) 重さ(g)
「全朝教通信」合本 第43号~第52号 B4判 270p 2000 400
「全朝教通信」合本 第53号~第67号 B4判 360p 2000 550
「全朝教通信・全外教通信」合本 第68号~第82号 B4判 360p 2000 570
「全外教通信」合本 第83号~第97号 B4判 360p 2000 570
「全外教通信」合本 第98号~第112号 B4判 360p 2000 570

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大会開催要綱集

本書は、毎研究集会で配布される開催要綱集です。
内容は、全体会やフィールドワークの内容・分科会レポート一覧はもちろんのこと、全朝教・全外教の歩み、各都道府県の外国人教育指針・方針の一覧、毎年の都道府県別・国籍(出身地)別外国人登録者数など、資料的な価値も十分にあります。
なかでも、大会基調報告は、それぞれの大会・年度における課題を明らかにしており、在日外国人教育の課題の変遷を知る上で貴重な資料と言えます。

書名 開催年・開催地 判型 ページ数 頒価(円) 重さ(g) 備考
第20回研究集会 1999年・京都 B4判 50p 300 85
第21回研究集会 2000年・広島 B4判 50p 300 85
第22回研究集会 2001年・兵庫 B4判 50p 300 85 (在庫なし)
第23回研究集会 2002年・三重 B4判 50p 300 85
第24回研究集会 2003年・大阪 B4判 50p 300 85
第25回研究集会 2004年・奈良 B4判 50p 300 85
第26回研究集会 2005年・滋賀 B4判 50p 300 85
第27回研究集会 2006年・神奈川 B4判 50p 300 85

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大会資料集

『第11回全国在日朝鮮人教育研究集会(大阪集会)資料集』(入荷しました!残部僅少
『第13回全国在日朝鮮人教育研究集会(東京集会)資料集』(入荷しました!残部僅少
『第14回全国在日朝鮮人教育研究集会(京都集会)資料集』(入荷しました!残部僅少
『第15回全国在日朝鮮人教育研究集会(広島集会)資料集』(入荷しました!残部僅少


全国在日朝鮮人教育研究集会資料集は、1995年の大会からよそおいを新たにし、実践報告集『これからの在日朝鮮人教育』と『開催要綱集』に分離しました。
それぞれの地においてとりくまれた実践記録をぜひお読み下さい。
クリックすると、総目次のページが開きます。
『これからの在日朝鮮人教育’95』(第16回兵庫大会実践資料集)
『これからの在日朝鮮人教育’96』(第17回福岡大会実践資料集)
『これからの在日外国人教育’97』(第18回奈良大会実践資料集)
『これからの在日外国人教育’98』(第19回神奈川大会実践資料集)
『これからの在日外国人教育’99』(第20回京都大会実践資料集)
『これからの在日外国人教育2000』(第21回広島大会実践資料集)
『これからの在日外国人教育2001』(第22回兵庫大会実践資料集)
『これからの在日外国人教育2002』(第23回三重大会実践資料集)
『これからの在日外国人教育2003』(第24回大阪大会実践資料集)
『これからの在日外国人教育2004』(第25回奈良大会実践資料集)
『これからの在日外国人教育2005』(第26回滋賀大会実践資料集)
『これからの在日外国人教育2006』(第27回神奈川大会実践資料集)


2007年の大会より、大会資料集と開催要綱集を合併して『全国在日外国人教育研究集会資料集』としました。各大会での実践報告がわかると同時に、基調報告をはじめ、各種資料が一冊で手に入ります。
在日外国人教育の歩みを知る上で欠かせない資料として、ぜひともお求め下さい。

書名 判型 ページ数 頒価(円) 重さ(g)
第14回全国在日朝鮮人教育研究集会(京都集会)資料集 B5判 260p 1000 460
これからの在日朝鮮人教育’95 A5判 268p 1500 420
これからの在日朝鮮人教育’96 A5判 310p 1800 460
これからの在日外国人教育’97 A5判 250p 1500 400
これからの在日外国人教育’98 A5判 283p 1500 410
これからの在日外国人教育’99 A5判 286p 1500 420
これからの在日外国人教育2000 A5判 250p 1500 370
これからの在日外国人教育2001 A5判 204p 1500 320
これからの在日外国人教育2002 A5判 250p 1500 340
これからの在日外国人教育2003 A5判 207p 1000 300
これからの在日外国人教育2004 A5判 192p 1000 300
これからの在日外国人教育2005 A5判 198p 1000 290
これからの在日外国人教育2006 A5判 212p 1000 320
第28回全国在日外国人教育研究集会(京都大会)資料集 B5判 142p 1000 295
第29回全国在日外国人教育研究集会(兵庫大会)資料集 B5判 155p 1000 290
第30回全国在日外国人教育研究集会(広島大会)資料集 B5判 136p 1000 175
第30回全国在日外国人教育研究集会(広島大会)資料集 B5判 136p 1000 175
第30回全国在日外国人教育研究集会(広島大会)資料集 B5判 136p 1000 175
第31回全国在日外国人教育研究集会(三重大会)資料集 B5判 138p 1000 175

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ストップ!子どもの強制収容・強制送還

子どもの強制収容・強制送還が続いています。

99年に大阪で頻発した子どもの強制収容・強制送還に対して、とよなか国際交流協会等が中心となったネットワークでのとりくみの中で、子どもの「収容」はなくなったかに見えました。しかし、2001年11月、熊本で再び、子どもの「収容」が起こっています。また、この問題に関する裁判も判決が出始めており、厳しい結果が続いています。

こういった状況を受け、これまでの各地のとりくみで明らかにされてきた問題点をあらためて整理し、全外教加盟の各組織の足下では本当に子どもの強制収容・強制送還の実態はないのかということの点検も含め、私たちの課題を明らかにする必要性を感じてきました。

2002年2月9日、とよなか国際交流協会において、子どもの強制収容・強制送還をテーマとしたセミナーが開催され、この問題に詳しい3人の方からたいへん示唆に富む報告がありました。そこで、ここに、とよなか国際交流協会と報告者の方たちのご了解を得て、その報告の講演録を掲載させていただきました。また、あわせて各地の貴重なとりくみの報告も掲載しています。

もうこれ以上、入管に子どもの強制収容・強制送還を繰り返させてはいけません。「収容」は子どもたちの人権を踏みにじり、子どもたちの心に計り知れない傷を与えています。子どもの強制収容・強制送還を許すか許さないかは、ひとえに、私たち教職員等の周囲の迅速かつ的確な対応にかかっています。さらに、入管が動くまでに、問題が起こるまでに私たちがしておかなければならない、知っておかなければならないことを、ここに掲載した報告は明らかにしてくれています。

A5判 90ページ

頒価 500円

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一問一答在日外国人教育

全朝教が『在日外国人教育Q&A』を出版してから3年がたちました。しかし、このわずか3年の時間の経過の中での在日外国人教育をめぐる状況の変化は大きく変わりました。

在日コリアンをめぐる状況について言えば、日本籍コリアンの増加傾向がさらに進行しています。学齢時の在日コリアンの主流が3世から4世に移り、日韓スポーツ交流や文化交流が盛んになっていく中で、従来の「差別と排外の日本社会」という認識だけではとらえきれない若者の意識の変化も進行しています。一方、「新渡日」の外国人をめぐっては、その数のますますの増加と多様化の進展、これに対する日本社会の民間や行政の対応の一定の広がりです。

こうした状況をふまえて、全外教はあらたに『一問一答 在日外国人教育』を出版しました。

この小冊子は、在日外国人教育の概説書でも学術的な理論書でもありません。筆者はすべて奈良県内の教育現場の教員です。在日外国人教育の現場で突きあたる疑問や「こんなことがすぐにわかれば…」と思う事柄を設問として設定し、さまざまな資料を調べて、その解答を書きあげました。在日外国人の子どもや親と接した時、多くの教員が「これは何とかしなければ…」という思いを抱きます。「何とかしよう」として動き出した時、一定の知識が必要です。「他によく似た事例はないのか」「どんな先進的なとりくみがあるのか」「法律や条令はどうなっているのか」等々、そんな時、この本の目次を見てほしいと思います。「何とかする」ために必要な知識が、きっと見つかると思います。そのような在日外国人教育の最前線で、すぐに役立つ「手引書」のつもりで、執筆・編集にあたりました。

現在の日本は、外国人の急増という実態が先行し、教育や行政の対応が遅れています。また、その対応も地域や学校によって大きな落差があります。この小冊子が『在日外国人教育Q&A』同様、教育現場で、外国人とともに生きていくことのできる地域社会・学校をつくり、「差別と同化」を迫る日本社会ではなく、「多文化と共生」の日本社会をめざして在日外国人教育にとりくむ現場教員の手引書として役立つことを期待します。

もくじ

発刊にあたって


在日外国人問題とは
Q1 日本にどれくらいの数の外国人がいるのですか。
Q2 在日外国人が生活する上でどんな問題があるのですか。
Q3 外国人が増えるということは、日本は「単一民族国家」ではなくなるのでしょうか。


在日コリアン
【歴史】
Q4 どうして日本に住むようになったのですか。
Q5 日本に来た朝鮮人はどんな生活をしていたのでしょうか。
Q6 日本の敗戦後、なぜ帰国しなかったのですか。
Q7 在日コリアンの法的地位はどのような変遷をたどってきたのですか。
【戦後補償】
Q8 戦後補償とはどんな問題ですか。
Q9 「従軍慰安婦」問題について教えてください。
Q10 朝鮮人BC級「戦犯」問題とは、どんなことですか。
Q11 在外被爆者への補償はどうなっているのですか。
【現状】
Q12 在日コリアンへの差別の現状について教えてください。
Q13 在日コリアンに対する差別語にはどのようなものがありますか。
Q14 在日コリアンによる運動やとりくみについて教えてください。
【教育】
Q15 今、民族学校はどういう状況にあるのですか。
Q16 在日コリアンの子どもたちが日本の学校に通うようになったのはなぜですか。
Q17 日本人の子どもと同じように扱ってはいけないのですか。
Q18 「本名(民族名)を呼び・名のるとりくみ」とは何ですか。
Q19 在日コリアンの子どもたちが集う場は、なぜ必要なのでしょうか。
Q20 在日コリアン生徒の進路はどうなっていますか。
Q21 どのような就職差別撤廃運動がありましたか。
Q22 公務員採用での国籍条項の問題はどうなっていますか。
Q23 文科省は、なぜ在日外国人を教諭採用しないのですか。
Q24 就職に関するセミナーのようなものはありますか。
Q25 いまの在日コリアン高校生の意識はどうなっていますか。


「新渡日」の人たち
【渡日の背景】
Q26 「新渡日」の人たちはどうして日本に来るようになったのですか。
Q27 かつて日本人が海外に移住していった例はないのですか。
【現状】
Q28 日本政府は、新たに渡日してきた外国人をどう受け入れ、どのような支援をしていますか。
Q29 「新渡日」の人たちの仕事の状況はどうですか。
Q30 外国人は家探しに苦労すると聞きましたが、本当ですか。
Q31 医療や社会保障はどうなっていますか。
Q32 「新渡日」の人たちに対して自治体の対応はどうですか。
Q33 「新渡日」の人たちが日本語を学習する機関や、彼らを支援する市民グループなどの活動はありますか。
Q34 外国から企業に来ている研修生について教えてください。
Q35 難民の受け入れはどうなっていますか。
Q36 諸外国では、外国人の受け入れはどうなっているのですか。
【教育】
Q37 外国人は希望すれば誰でも日本の学校に入学できるのですか。
Q38 「新渡日」の子どもたちを受け入れるときにはどんなとりくみが必要ですか。
Q39 母語保障とはどういうことですか。
Q40 「新渡日」の生徒の高校進学や大学進学はどうなっていますか。
Q41 ブラジル人学校というのがあると聞きましたが、どんな学校ですか。


在日外国人の法的地位
【法的地位】
Q42 外国人に対する国の基本的な姿勢はどうなっていますか。
Q43 在留資格って何ですか。
Q44 外国人は日本の国外に追放されることもあるのですか。
Q45 外国人が入れられる「収容所」というのがあると聞きますが、どんな所ですか。
Q46 再入国許可って何ですか。
Q47 在日外国人が届け出ることを義務づけられている項目には、どんなものがありますか。
Q48 外国人登録証明書ってどんなものですか。
Q49 外国人登録証明書の常時携帯義務って何ですか。
Q50 在日外国人の中に、外国人登録法に対して改善を求める声が多いようですが、それはどうしてですか。
Q51 外国人登録法に対してどのような運動がありましたか。
【国籍】
Q52 国籍ってどうして決まるんですか。
Q53 在日コリアンの国籍はどうなっていますか。
Q54 日本国籍を取ることをどうして「帰化」と言うのですか。
Q55 歴史用語の「帰化人」という言葉についてどうですか。
Q56 在日コリアンが将来もずっと日本で生活していくならば、「帰化」すればよいのではないでしょうか。
Q57 諸外国では外国人に参政権があると聞いていますが、日本では外国人の参政権はどのようになっていますか。


もっとよく知りたい人のために
Q58 全外教って、何ですか。また、府県外教についても教えてください。
付録 もっとよく知りたい人のために

A5判 160ページ
頒価 1000円

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