奈良県外国人教育研究会編 『オッケトンム -音楽編-』

私たちは、西洋の音楽については学校の中でもふれる機会が結構多いのに、隣の国・朝鮮の音楽については、ほとんど接する機会がない。そのことのおかしさについてさえ、気づいてもこなかった。この本は、そんな現状をなんとか変えていきたいとの思いから生み出された。単なる歌集ではなく、最初は「オンマと運動会」という物語からはじまる。そして、朝鮮の楽器チャングの演奏のしかた、運動会での農楽、サンモやソゴの簡単なつくりかた等々が紹介される。「アリラン」や「ヌンヌンヌン」、「アプロ」等々の歌が、振り付けをつけて、現場ですぐ使えるように工夫されている。「ドレミの歌」や「エーデルワイス」などの有名な歌も朝鮮語で紹介されている。また、「ハナロ(ワンコリアフェスティバルのテーマソング)」、「セタリョン(鳥節)」、「ポンソンファ(鳳仙花)」等も収録されており、盛りだくさんの教材といえよう。

さらに、元・朝鮮人強制従軍慰安婦の証言で、「シンセタリョン(身世打鈴)」として語られた中からひとつの詩が最後につけられている。これは、92年12月におこなわれた日本の戦後責任を追及する奈良研修会での発言から採られたもので、活用は現場の教員にまかせられている。

B5判 88ページ
頒価 900円



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