全朝教ブックレット1『多文化教育と在日朝鮮人教育』

全朝教ブックレット①『多文化教育と在日朝鮮人教育』では、いま話題の多文化教育について、詳しく、しかも平易に紹介されています。この間、大阪を中心にして、解放教育の中で多文化教育が語られてきましたが、本書では、在日朝鮮人教育がもつ現在の課題を、多文化教育の視点から浮き彫りにしていきます。著者の中島智子さんは、「在日韓国・朝鮮人教育を、関心ある教師だけのとりくみや特別なつけたしという理解を超えてすべての学校において普及させるためには、その構造化が真剣にはかられる必要がある」と言います。

本書の前半は、文献研究からの多文化教育の概説ですが、後半は、アメリカ東部の見学の経験から語られているので、具体的な話になっています。さらに「おわりに」では、アメリカ西部の見学の経験も加味されて、より具体的な多文化教育の像が見えてきます。

本書を読み終えて、多文化教育に対する過度の期待をしてしまいそうになる自分を抑えて、日々の実践の検証と新たなとりくみの方策を考えているところです。新鮮な視点から在日朝鮮人教育を考えさせてくれる好著であり、久しぶりに「元気」がでる書でした。

<もくじ>

1、はじめに
2、多文化教育と在日朝鮮人教育
3、多文化教育が示唆するもの
4、おわりに

A5判 94ページ
頒価 700円



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