メールマガジン第200号を発行しました

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今号の巻頭言より

★大震災が外国人に与える影響は計り知れない

先ごろ、東日本大震災以降の在日外国人コミュニティの動向にかかわるシンポジウムがあり、参加しました。日本語力が十分でない人たちが地震や放射能の情報から阻害され、言葉が分かる同胞への問い合わせがメールやフェイスブックなどを介して集中した様子が報告される一方で、こうした手段を持たぬ外国人も少なからず存在する実態。これとは逆に、本国などからの母語による大量の情報に翻弄され、何を信じればよいか判断できなくなる例も紹介されました。

また、多くの外国人が日本から脱出したとの報道への違和感が示されました。出入国者数を見れば、外国人が日本から我先に出て行った実態がないことが分かる。震災直後に出国した人には、すでに日本に戻った者も多い。外国人はいざとなれば日本を見捨ててしまうような連中なのだ、という不正確なイメージをばらまいたのではないか、等など。さらには、県単位で工場生産が停止した結果、日本全体で工場稼働率の大きなシフト転換が起こり、外国人労働者が広域の異動を余儀なくされる事態となっている。収入を求めるならば言われるままに異動するしかなく、年月をかけてつくられてきた同胞コミュニティが維持できなくなるであろう、という見解も。

震災後の在日外国人の状況は、まだ十分に把握できていません。教育に携わる者も、こうした不安定かつ不透明な先行きを十分考慮したうえで、児童・生徒やその保護者たちと向き合うことが求められます。



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